あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる

すると、神宮寺はうつむいたまま、肩を小刻みに揺らした。


(…まさか、泣いているの?)


しかし、神宮寺が肩を揺らしていたのは、泣いているわけでは無かった。

…なぜか、声を出して笑ったのだ。


「笑うなんて…何が可笑しいのですか?」


すると、神宮寺はゆっくりと顔を上げた。
でもその顔は笑顔ではなかった、口元は笑いを浮べているが、その瞳には涙が溢れそうだったのだ。


(…なんて表情なの…なぜ、涙を流しているの…)


「…まったく、俺は何をしているんだろうな……伊織、もう帰るぞ、俺の車に乗れ。」

「結構です。自分で帰れますので!」

「ごちゃごちゃ言うな…行くぞ。」


神宮寺は私の腕を掴むと、引っ張るように歩き出した。


結局、私は神宮寺の車に乗せられてしまった。


「あの…私の家の住所は…」


私が神宮寺に住所を伝えようとすると、神宮寺はそれを遮るように声を出した。


「今日は時間が遅いから、俺の家に向かうぞ…文句は言うなよ。」

「…っな!なぜですか!…車から降ろしてください。」

「いやだね。」


なんということだろう、神宮寺は私の家に送ってくれるのではなく、自分の家に向かっている。


(…この男、本当に何を考えているの!)

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