あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる


いかにも高級そうなタワーマンションの最上階。
部屋のアクセントのような家具も、壁の絵画も、さりげなく飾られてでセンスが良い。
大きな窓ガラスからは、キラキラと街の明かりが広がって見えている。

そして、部屋の真ん中には、コポコポと音を出している大きな水槽に、水藻がゆらゆらと揺れ、カラフルな魚たちが優雅に泳いでいる。

ここは神宮寺の部屋だ。

なんで、私はここに来てしまったのだろう。もっと抵抗もできたはずなのに、なぜかできない自分がいた。神宮寺も何を考えているか分からないが、これでは私も同じようなものだ。自分が嫌になる。

部屋で呆然と立ち尽くしていると、後ろから神宮寺の声がした。


「そんなに、警戒するなよ…無理やり襲ったりはしないから、安心しろ。」


私は神宮寺を睨んだ。無理やりキスした男は信用なんてできない。


「…安心なんて、できるわけないです!」


すると神宮寺はクスクスと笑っている。なぜか悔しい気持ちになる。


「それとも、何か期待しているのか?…俺はそんなに女には不自由していないが、お願いされれば、考えてやってもいいぞ。」

「な…な…何を言っているのですか!」


これではまるで、私が意識しているだけのように聞こえる。
急に顔が熱くなり、心臓が五月蠅く鳴り始める。



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