あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
「桜、行くぞ。」
神宮寺は、私に手を差し伸べると、自分の腕に掴まらせた。
よく見ると、神宮寺のスーツは私のドレスと同じような生地で、光沢のある黒だ。スーツの襟元には、さりげなくメレダイヤが散りばめられていて、それは私のドレスの胸元についているメレダイヤと同じようだ。
さりげなく、ペアになっているスーツとドレスだ。
恐らくマヤと呼ばれた女性が用意したのだろう。
どんなスーツでも着こなしてしまう神宮寺は流石だ。
思わずその姿に見惚れそうになる。
神宮寺にエスコートされて、お店に戻ると、皆が一斉にこちらを見た。
皆は驚き過ぎて言葉が出ないようだ。
それもそのはずだ、先程まで地味な普段着を着ていた女が、急にドレスアップして変身してきたのだから驚かれても仕方のない事だろう。
まず、一番に駆け寄って来たのはハリーだ。
ハリーは私を見て、目を丸くしている。
「さ…さ…さくらちゃんだよね…これは驚いた。先程までは可愛い女の子だったのに、今は美しい大人のレディーだよ。」
確かに自分でも、驚くほど変身はしているが、ハリーに改めて言われると、なんだかとても恥ずかしい。