あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる

須藤はいきなり社長室を出ると、急ぎ歩き出した。
エレベーターを降りて、車に乗るとエンジンを掛けながら、私の方を見た。


「神宮寺の居る場所の見当がついた。」

「本当ですか?いったいどこに…」

「恐らく、あいつのところだろ。」


須藤はそれだけ言うと、無言でどこかに向かって車を走らせる。
“あいつ” とは誰の事なのだろうか。

車は、間もなくして小さな病院の前で停まった。


「ここは、医者で俺たちの友人の病院だ。」


須藤はそれだけ言うと、車から降りて病院の入り口に向かった。
私も後を追いかけるように、須藤に続いた。

須藤は病院の受付で、看護師に何かを話し始めた。
すると、その看護師は須藤を案内するように、病院の中へと歩き出した。
私も須藤の後を追いかける。

どうやら、この病院は一階が診察室で、二階と三階は病棟になっているようだ。
看護師に案内された私達は、三階の一番奥の部屋の前に到着した。

すると、看護師は私達の方に振り向いた。


「神宮寺さんは、まだ眠っていらっしゃいます。もう少しすると、医師の速水が参りますので、部屋の中でお待ちください。」


看護師は、微笑んでお辞儀をすると、すぐに立ち去ってしまった。
医師の速水という名前を言っていたが、須藤の言っていた友人なのだろうか。


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