あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
私は両手で握った母の手に、さらに力を込めてしっかり握った。
「お母さん、神宮寺さんは悪くないの…お父さんが自殺した時に一番早く見つけて、病院に運んでくれたんだよ。」
「じ…自殺?」
「そう、お父さんは私達家族に知らせないでくれと遺書を書いて、自殺を図ってしまったの…でもね、幸い神宮寺さんが早く見つけてくれたから、お父さんの命は助かったの…だけど、つい最近まで記憶が無くなってしまっていたの。」
お母さんは顔を上げて、悠斗さんの姿を見つめた。
「本当に…貴方が助けてくれたのですか?」
悠斗さんは、ゆっくり私と母に近づいた。
「当時の私はまだ若く、力が無かったために、伊織さんの会社を救うことが出来ませんでした。申し訳ございません。情けない事ですが、会社に逆らう事が出来なかったんです。」
お母さんは驚いたように悠斗さんの顔を見上げた。