クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
「アイザーク殿下、それはこれのことでしょうか?」

 そういってエリックが取り出したのは、ピンクの小瓶に入った“ドクター・アイリスの恋のおまじない100%”だった。

「なんだか、怪しそうな名前だな。ほぅ、ドクター・アイリスか。彼女はサザン帝国の有名な外科医ではないか」

 最新のニュース“世界の偉人シリーズ”で、聞いたことがある名前だ。

「殿下、こちらの取り扱い説明書によりますと、ピンクの液体には妖力が付与されており、飲んだ者が3回妖力を使用できるようになるとのことです。ただし、恋のおまじない専用なので、恋する相手を想いながら飲むのが、正しい服用方法のようですね」

「そうか、妖力というのは、まだまだ謎の多い力らしいな。帝国には、その力を持つ者が多いと聞くが。ドクター・アイリスもその一人であったか」

 俺は、とにかく現状を打破するものであれば、何でもいいと、ピンクの小瓶をとった。「安全性は?」と聞くと「確認済みです」との回答。よし、見た目はアレだが、飲むか。

(可愛い可愛いフィルデリア、フィルデリア、フィルデリア……)

 呪文のように唱えながら、一気に液体を飲んだ。アルコールが入っているとは知らずにいたので、ちょっとむせてしまった。こんなおまじないのようなホレ薬を頼りにするのもアレだが、何かの助けになればいい。それだけ俺は、フィルデリアを失いそうで、血迷っていたのだ。

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