クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
 空になった小瓶を振ってみたが、何も音はしなかった。




(Side サリー)

「サリー! もう、ダメだわ! 殿下に嫌われてしまったわ……」

 学園から慌てて帰って来たお嬢さまは、叫びながら私を呼んだ。慌てて駆ける姿は、とてもお淑やかでいることを是とする公爵令嬢の姿ではない。そんなお嬢さまを少し呆れたような目でみながら、いつもの如く話を聞く。

「はい、今度は何が起こったのですか?」

 はぁ、はぁと息を整えているお嬢さまの額には、汗がついている。よほど慌てて帰って来られたようだわ。

「聞いて! 放課後に、先生から頼まれた大量のプリントを届けようとしたら、教室を出た所で、何もないのに転んでしまったの! その時、後ろに殿下がおられて……ばっちりパンツを見られてしまったわ!」

 お嬢さまは一気に放課後の事件について、話しだした。

「え! それはまた! で、お嬢様、今日のパンツは何でしたか?」

 私は侍女なので、フィルデリアのパンツコレクションを知っている。口を開かなければクール系の美女で通っているお嬢さまは、下着の趣味が、無駄にいやらしい。レースとか黒とか紐とか……。

淑女であれば決して履かないような下着を、お嬢さまは喜んでつけている。まぁ、普通の生活をしていれば見られることもないので、この趣味は一応、許されている。だけど……。

< 11 / 93 >

この作品をシェア

pagetop