クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
 あれだけ周囲を見ないで走っていたら、ぶつかるよなぁ……と思って観察していたところ、その紙袋の中身が飛び出してしまった。

「エレノア嬢、大丈夫ですか」

 一応、私に渡そうとしていた物が落ちてしまったのだ、声をかけることにした。

「はい、あの、これは、私の手作りで。カレーパンというのですが……すみません。落としてしまいました」

 カレーパンといったか、落としてしまった彼女の持ってきた物体を拾おうとした瞬間、中身が割れた。その中からは、食物とは思えない色をした、まるで排泄物と思われる状態のものが出てきたのだ。さらに、匂いも強烈だった。エレノア嬢は、これを手作りしたという。

「これは、私への贈り物だったのですか?」

 一応、聞いてみる。

「はい、でも、もう食べられませんので、持ち帰ります。すみませんでした」

 まるで残念そうな顔をして、慌ててその黄土色にまみれた物体を持って帰っていく。あれは、どうみてもう〇ちにしか見えない。あんなものを、彼女は手で持っているが…

 やっぱり、食べ物だったのか? それとも新手の嫌がらせなのだろうか? 不可解だ。彼女はすぐにその場を走り去っていったので、何も分析できない。また黒子を使って、調べる必要があるか、要検討だな。





(Side フィルデリア)

「はぁっ、あっぅ、――うぅぅ」

 額から、汗が一筋流れる。

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