クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
 「カチャ」とドアを開けたのは――エレノア・レイ男爵令嬢であった。

「あ……インポ?」

 彼女は、私の爆発後にくつろいでいる息子を見て、その言葉を吐いた。そして、しまったという顔をすると、すぐにドアを閉めて、出て行ってしまった。

「ち、違う、断じて、インポではない!」

 そう叫んだが、その叫びがエレノア嬢に届いたかどうか、わからない。




(Side エレノア)

「どうして、鍵をかけないのよ、3人とも」

 私は行き場のない怒りに溢れていた。3人目の宰相の息子のエリック様は、何をプレゼントしていいのかわからなかったから、放課後によくいるサロンに行ってみたのに。なによ、アレ。女体本を前にして、あんな、あんな小さいなんて。

 女体をみても、興奮して勃起しない状態は、確か……「インポ」だって、古文書に書いてあった。思わず叫んじゃったけど、古い言葉だから、きっと意味なんて知らないわよね。大丈夫。うん。

――でも、インポは困るわ。頭いいのに。

 困ったことがあると、私は王立図書館の古文書コーナーに来ていた。「ニホン」のことばは、この世界では古文書として取り扱われていた。そう、はるか昔に異世界転生した人が残したのであろう、私なら簡単に読める古文書(ニホンゴ)の本は、王立図書館で読むことができた。

「はぁ、なかなか恋って、難しいわね。もうアイデアが浮かばないわ」

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