クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
 今日は、わが国の王太子と、婚約者である公爵令嬢の結婚式である。2年後に予定されていたが、大人の事情で、卒業の3か月後に開催されることとなった。その為、わりとシンプルな式となった。披露宴は、後日盛大に執り行われることになっている。

 私、エリック・バートンは現宰相の息子で、アイザーク王太子殿下の側近でもある。婚約者はいない。氷の宰相候補と呼ばれるほど、一応、見目麗しいが、愛想が悪い。その為なのか、女性とアハアハする関係になったことは、これまでない。知識はあるが。

「殿下、ご結婚おめでとうございます」

 大聖堂での誓いの儀式が終わり、今、この大聖堂の園庭では学園の同級生など、若手貴族を中心にお祝いに集まっていた。

「エリック、ありがとう。お前も早く、結婚しろ」

「殿下、ですから、相手が見つかりません」

 あの恋のおまじない薬の薬効は、あるにはあったが、2回とも婚約者のいる者だった。やり切れない。あの時の公開処刑は、本当に痛かった。あとで治癒魔法かけてくれたけど。

「はは、今日は婚約者のいない者もたくさんいる。せいぜい頑張れよ」

 アイザーク殿下の顔は、ゆるみきっている。私は、その理由をよーく知っている。今夜は殿下にとって「童貞の卒業式」だからだ。今日のデザートにサクランボが多いのは、言うまでもない。

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