クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
「それでは今から、ブーケトスを行いまーす。婚約者のいない方は、お集まりくださーい」

 司会の女性が、会場にいる招待客に声をかけはじめた。今日のフィルデリア嬢は、パーティーにいる花嫁にふさわしく、白いスリム型のドレスを着て、かつ胸を盛り上げている。流行のドレスは谷間がバッチリ見える。これを流行させてくれた方に、感謝状を贈りたい。

「今日は、アイザーク殿下のガータートスもありますので、男性もお集まりくださーい」

 その場がわぁっと盛り上がる。殿下はフィルデリア様のガーターを、ウェディングドレスの中に顔を突っ込んで、すばやく口でとっていた。さては既にフィルデリア嬢の太ももにつけて、練習していたな?

「では、同時に投げるので、受け取った方は前に来てくださいねー」

 せーの、でブーケとガーターが投げられた。――ポトン、と私の頭の上に、ガーターが落ちた。殿下め、さては狙ったな……

 そして、ブーケを受け取ったのは、サーモンピンクのドレスを着た、エレノア・レイ男爵令嬢だった。

「エリック様と、エレノア様。お二人には、今話題のパティスリー『ヨロイダカ』での、ペアのお食事券をプレゼントします。ぜひ、デートしてくださいねー!」

 司会者の明るい声のリードで、二人が前に押し出される。エレノア嬢は、ピンクの髪を今日は上の方でまとめていた。ふわっと彼女の匂いが鼻につく。

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