クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
 その後、エレノア嬢が古代語に通じていることから、異世界からの渡り人としての知識も持っていることが判明した。次期宰相候補と言われる私だ。こんな素晴らしい知識を持った人材を妻とできるとあれば、理想以上だ。可愛いし、ナイスボディだし、身体の相性もいいし。

 本気になってプロポーズをするが、肝心のエレノア嬢はなかなか「はい」と言ってくれなかった。何でも異世界では「合体=結婚」ではないらしい。そのため、婚約には家の圧力を使わねばならぬか……と思っていたが、思わぬところで彼女の琴線に触れることができた。

「うん、これは美味しい!」

 今日はエレノア嬢がお弁当を作ってくれたので、それを一緒に食べている。

「ほんと? これ、誰も美味しいって言ってくれなくて。やっぱり異世界の味すぎたのかなぁ、って思っていたの」

 彼女が用意してくれたのは、なんと以前食べ損ねたカレーパンであった。確かに見た目はちょっと……だが、味はイイ。この香辛料が、たまらない。

「この中身の辛さと、油で揚げているところが、イイ。うまい。もっと異世界料理とやらを、食べてみたいな」

 素直に感想を述べると、エレノア嬢は目から涙をポロポロと流し始めた。

「ほんと? ほんとに、私の異世界料理、食べてくれるの?」

「ああ、君の異世界の知識から生まれてくるものは、何でも尊いよ。もっと、食べさせて欲しいし、聞かせて欲しい」
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