西園寺先生は紡木さんに触れたい
その頃化学室では…。
何でこの男と一緒なのよ!
葵はそう心の中で叫ぶと、ギロリと右隣に座る蓮を睨んだ。
「な、なんだよ。」
葵の視線に蓮はたじろいでそう返した。
黒板には西園寺の字で『用があって席を外してます。先にプリントを始めていてください。』と矢印が書いてあり、矢印の先にはプリントが置いてあった。
葵はそのプリントを一応手に取って自分の席へ戻ると、スマホを取り出して弄り始めた。
「なあ、葵…。」
「なに!?」
「い、いや…。」
蓮がが一緒の空間にいるという事実にイライラして、強い口調で彼の呼びかけに返すと、彼は驚いて口をつぐんだ。
「葵…、俺にもう一度チャンスをくれないか。」
今度は懇願するように、葵を見つめる蓮に彼女のイライラはどんどん積もっていった。
「なんで私の親友と浮気した奴にチャンスをあげなきゃいけないの!?」
「それは…本当に、悪かった。何でもするから、お願いだ。」
「何でも?じゃあ今すぐ消えて。」
葵がキッと蓮を睨みつけると。
「…わかった。それで、葵の気が済むなら。」
蓮は立ち上がって自分の荷物を纏めると、化学室から出ていった。
葵はその背中をせいせいした気持ちで見送っていった。