西園寺先生は紡木さんに触れたい
「…失礼しま〜す。」
紡木はガラガラと化学準備室のドアを開けると、そう小さな声で言った。
西園寺は笑顔を浮かべると、「どうぞ〜。」と、椅子へ座る様に促した。
「紡木さんとご飯を食べられるなんて嬉しいな。」
そう言いながら西園寺は紡木から託されていたお弁当箱と、自身がコンビニで買ったサンドイッチとキャラメルラテを取り出すと、机の上に置いた。
「すみません、急に…。」
申し訳なさから苦笑いを浮かべる紡木に、西園寺は「ううん。」と首を振った。
「理由はなんであれ、紡木さんと一緒にいられるなら、僕は幸せだよ。…それにしても大変だね。」
そう健気に笑う西園寺に、紡木は「はあ…。」と困惑した顔を向けた。
「紡木さんは優しいんだね。」
西園寺はサンドイッチの包みを開けるとそう言ってから一口含んだ。
「いえ、全ては私のせいなので…。」
紡木もお弁当箱を開けると、卵焼きを箸で掴んで口に入れた。