西園寺先生は紡木さんに触れたい
「正直僕はどうでもいい〜って思ってしまうよ、恋愛に関しては。
…僕が自分のことで手一杯だからね。」
そう言って自嘲気味に笑う西園寺に、紡木は気まずくなってぎこちない笑みを浮かべた。
「紡木さんはさー、好きな人いないの?」
西園寺に急にそう聞かれて、紡木は卵焼きを喉に詰まらせて激しく咳き込んだ。
西園寺はそんな紡木に笑いながら「ごめんごめん。」と謝った。
「で、いるの?」
「え、まあ…いない、ですけど。」
申し訳ない気持ちになりながらそう言うと、西園寺は「そうなんだ、よかったあ!」と予想外の反応を示した。
そんな西園寺の反応に?を浮かべていると、西園寺は「だってさ、」と続けた。
「これから僕を好きになってくれる可能性だってあるわけでしょ?」
「んぐっ…そ、それは…絶対にない、です。」
前にも『絶対にない』とハッキリ言ったはずだったが、西園寺は覚えてなかったらしい。
紡木は変な期待をさせない為に、もう一度ハッキリと言った。
そんな紡木の言葉を聞いても西園寺は笑顔を崩すことなんてなかった。
「絶対、なんて言葉はないんだよ。…でしょ?」
そう笑顔で言われると、紡木はそれ以上返す言葉が見つからず「はあ…。」と言って押し黙った。