西園寺先生は紡木さんに触れたい

去年の4月。

西園寺がこの学校に赴任してきてから初めて生徒と顔を合わせた時。


案の定西園寺は大勢の女子生徒に取り囲まれて苦笑いを浮かべていた。


「なんて言う名前なんですかー?」


「え、めっちゃかっこいい!彼女いるんですか?」


「どこのクラス担当??」


「メアド交換しよ!」


口々に言う彼女たちに、西園寺は辟易していた。


昔からこういう扱いをされるのにはある程度慣れてはいるが…ここまで完璧に囲まれたのは初めてだ。


初日の授業ともいえないスケジュールも全て終わり、一度職員室に戻ろうかと考えていたが、どうしたものか…。


そう思案していると、遠くからもう一人女子生徒がやってきた。


おー、減るどころか増えてく一方だな…。


なんて思っていたが、その生徒はスッと横を素通りしていった。


西園寺は特に何も思わなかったが、その生徒がまた西園寺を通り過ぎたかと思えば、今度はなぜか走って彼の所へと寄ってきた。

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