西園寺先生は紡木さんに触れたい

「見てないよ〜…それより、今保健室で寝てるの、霧島くんだから静かにした方が良いかも。」


微かに聞こえる紡木の声と、「げっ。」「まじ?早くグラウンド戻ろ!」という声に、西園寺はふう、とため息を漏らした。


紡木さん…ありがとう…。


西園寺はベッドの中で手を合わせた。




「あー…そんなこともあったような。…っていうか先生、そんなに囲まれるのが嫌なんですか?」

紡木がそう聞くと、西園寺は少し考えてから口を開いた。


「変に目立つとその分他の人の反感を買ったりするでしょ?
それに囲まれてる分時間を取られて仕事が思うように進まなかったりするしね…。

ありがたいことなんだろうけど、こうずっと囲まれると辟易としてきちゃうよね。」


そう苦笑いを浮かべて答える西園寺に、人生で一度も囲まれたことのない紡木は「へえ。」と適当に返した。


「でも、そんなことで好きになっちゃうなんて、先生も意外とちょろいですね。」


そうにやりと笑って言う紡木に、西園寺は「どうだろうね。」と返した。


本当はこれだけで好きになったんじゃない。と思う。


いつもクールで他人に興味のないような人に見えて、本当は人一倍観察力と思いやりに満ちている紡木さんも好きだけど─




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