西園寺先生は紡木さんに触れたい
「ツムちゃ〜〜ん。」
次の日。葵は化学室に来るなり先に席についていた紡木に詰め寄った。
「ごっ、ごめっ!」
鬼のような顔をした葵に、紡木は慌てて謝った。
「余計なことしないでよ〜。」
「だ、だって、葵…まだ霧島くんのこと…。」
「いいの、もう!…もう、私は、蓮のこと好きじゃないから。好きになるだけ無駄だって…。」
そう葵が悲しそうに呟くと同時に蓮が大きな足音を立てて化学室に入ってきた。
「おはよ、ツムツム。…おい、葵、昨日はどうしちまったんだよ。」
蓮は片手を挙げて紡木に軽く挨拶をすると、葵にヅカヅカと迫った。
「別に、何でもない。ほっといて。アンタなんか本当に…嫌い。」
そうツンとした表情で冷たく言い放つ蓮は、あっけらかんとした顔で「俺は好きだけどな。」と言って、紡木の方を見た。
おい、ツムツム。
本当にこれでいいんだよな??
無理やりパスタ屋に連れてったら着いてきてはくれたけど、途中でなんか怒って帰られたんだけど。
今朝も無茶苦茶怒ってるけどこれでいいんだよな!?
どう今にも叫びそうな蓮に、紡木はさっと顔を逸らした。