西園寺先生は紡木さんに触れたい
「どっこいしょ、と。」
蓮は踊り場につくなり大きな声を上げて腰を下ろした。
そんな声に紡木はびくりと肩を揺らした。
「何突っ立ってんだよ、座れよ。」
蓮が下からキッと睨みを効かすと、紡木は「は、はい!」と言って少し離れたところに座った。
蓮は当然の様に不思議に思ったが、まあいい、と触れずに話し始めた。
「…昨日はごめん。いや、俺って、まあ…目つきが鋭いっていうのは分かってるけど、まさか気を失うほど怖かったなんて思ってもなくてな。」
「い、いえ…それは、全然。こちらこそ保健室まで運んでくれてありがとうございます…。」
「まあいい。相談なんだが…単刀直入に言う。俺は葵とやり直したいんだ。」
「えっ??」
まさかの相談内容に、紡木は驚いて声を上げたが、蓮に睨まれると、手を口に当てて気まずそうな顔をした。