西園寺先生は紡木さんに触れたい

「どうやったら葵とやり直せると思う？俺は、浮気したけど…葵を手放したくない。」


柄にもなく眉を下げてそう言う蓮に、紡木のスイッチが入った。


「でもさ、浮気しといて離したくない、はちょっとわがままじゃない？霧島くんは自分が浮気されて、『私が悪かった。』って言われて許せる？

私は無理だなあ。だって、よりを戻してもまたすぐ浮気されそうじゃん。

だから言葉だけじゃなく、もう浮気しない、葵だけを見てるって態度で示せばいいんじゃない？」


「どうやって態度で示せばいいんだよ。」


「うーん、毎日愛を伝えるとか？

どれだけ葵のことを大切に想ってて、離したくないのかを言葉にすればいいんじゃない？

それでも無理なら荷物持ってあげたり、困っていたら助けてあげたりとか。」


「…そんなことでいいのか？？」


「うん、女の子は誰かに大切にされて、お姫様扱いされると好きになっちゃうのよ。今時オラオラ系とか亭主関白は古いのよ。」


今までからは想像もつかないほど堂々と語る紡木に、蓮はほお〜、とため息をついてすげえ、と言いたげな目を向けた。