西園寺先生は紡木さんに触れたい

補講が終わった後も、紡木は何だかんだと学校に行く用事があった。


就職希望者が対象となっている面接練習や、マナー講座…。会社見学の帰りに報告書を提出したり。


しかしタイミングが良いのか悪いのか、西園寺に会うこともなく、お盆へと突入していった。





「花奏〜、健太くんと優奈ちゃんが来てるわよ〜!」


玄関にいた母にそう呼ばれた紡木は、その名前に勢いよく飛び上がって玄関まで駆け抜けていった。


「よお、花奏!」

「ツムちゃんお久しぶり〜!」


そう言って挨拶をする2人に「上がって上がって。」と紡木は中へはいるように促した。


「久々に来たな〜花奏んち。…あ、正確には花奏のじいちゃんばあちゃんちか!」


そう言ってきょろきょろと辺りを見渡す健太に、「ひとんちをジロジロ見ない!」と優奈はチョップした。


「いいな〜ツムちゃんは都会暮らしで。…あ、でも就職したらこっちに戻ってくる?」


そう矢継ぎ早に質問する優奈に、紡木は適当に返事をした。


紡木は中学生まで母と祖父母と一緒に暮らしていたが、紡木が中学3年の時に母の転勤に伴って、この田舎から1時間ほど離れた都市部へと引っ越していった。


優奈と健太は中学時代の友人で、2人はカップルでもある。


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