西園寺先生は紡木さんに触れたい
な、なんで先生がこんな所にいるの!?!?
ゆ、夢??



「え、ツムギちゃんって言うんだ〜!可愛い名前だね!…って先生?まさかあの男と知り合い!?」


「あ、ツムギは名字で、名前はカナデです。…えっと、先生とは…。」


「俺の教え子。」


西園寺は颯爽と紡木に近づくと、彼女の言葉を遮ってそう千秋たちに言った。


「ええ!?こんな可愛い子を教えてんの??クーッ!アタシも教師になればよかった〜。」


そう言ってダンっとテーブルを叩く千秋に、紡木は苦笑いを浮かべ、樹はゲラゲラと笑って、西園寺は深くため息をついた。



「なんだ、圭ちゃんのこと知ってたのか〜。俺は吉田 樹(よしだ いつき)。圭ちゃんと千秋とは高校の時のダチな!」



そう言ってニヒヒと笑う樹に、紡木もぎこちない笑みを返した。


「先生の、お友達なんですね…。」



それにしては西園寺が持っている柔らかい雰囲気とは全く正反対のオラついている樹。似ても似つかない2人がどうやって友達になったのか紡木は内心不思議だった。



その思いを読み取ったかの如く、樹は「圭ちゃんは高校生の時もっとオラついてたんだよなあ。」と語りだした。

< 130 / 367 >

この作品をシェア

pagetop