西園寺先生は紡木さんに触れたい

「なー!いいだろ?明日ドライブに花奏も連れてこうぜ!」


紡木と2人で話していた樹が突然そう提案をした。

西園寺は驚いて2人の方を振り返ると、紡木も目をまんまるに見開いていた。


「イェーイ!いいじゃん、いこいこ!」

「圭ちゃんは?」

「…いいけど、紡木さんは?嫌なら全然いいんだよ?いや僕はもちろん一緒に行きたいけど…。」


「僕?」「うわ、ぶってんの?キッショ。」という2人の言葉は無視して、西園寺は眉を下げてそう紡木に問うと、彼女は「う〜ん…。」迷っているようだった。


「いいじゃん!行こうぜ!」

「そうそう、美味しいもの食べに行こ!もちろんコイツの奢りで!」


千秋と樹の勢いに負けた紡木は少し悩んでから最終的に「…はい!」と答えた。


「やったー!!こんな可愛い子とドライブなんて最高じゃん!」


はしゃぎながらそう言う樹に、「樹、その子に手出したらコイツに殺されるわよ。」と千秋はピシャリと言い放った。


樹はその言葉に「え…。」と顔を強ばらせると、「圭ちゃんって、ロリコン…?」と呟いた。


「はーい、紡木さんはこんな馬鹿たちと一緒にいたらダメですよ〜。僕と一緒に花火見に行きましょうね。」


西園寺は2人の言葉をスルーして紡木に近づくと、屋台から離れるように促した。

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