西園寺先生は紡木さんに触れたい

「あのさあ。オマエたち、俺をなんだと思ってるわけ?」


紡木を送りとどけた後、エンジンをかけたままの車内で余韻に浸っているところで西園寺のスマホが鳴った。


『吉田 樹』そう表示される画面に嫌な予感しかしないな…、と思いながらも電話に出ると。



『けいちゃーん!おれんちにしゅーごーしゅーごー!!』

『おいクソ男!来ないと高校時代のクソ男ムーブを花奏ちゃんにバラすぞ〜!!』


確実に酔っ払っていると分かるほどに舌ったらずな2人の口調に、弱みを握られている西園寺は、フーッと長いため息をつくと「わかったよ。」と返して電話を切った。


酔っ払うとめんどくさいんだよな…。

西園寺はもう一度ため息をつくと、樹の家まで走り出した。



「けーちゃーん!やっほー!今千秋と2人で打上げしてたの!」


「飲め飲めー!私の酒が飲めない奴は殺す!」


既に顔を真っ赤に染めて出来上がっている2人に、思わず舌打ちをしながらも西園寺は2人の間に座った。


「いや俺車できてるし飲めないって。明日も運転あるし。」

「ちぇ〜つまんねーの。千秋、こんな奴ほっとこーぜ。」

「おうおう。こんなバカ誰が連れて来たんだよ〜。」

「オマエらが呼んだんでしょ。」

西園寺がそう突っ込むと、樹は「えへへ、そうだった。」と笑った。

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