西園寺先生は紡木さんに触れたい

「だから、まだ何もしてない。指一本触れてない。それどころか、告白したら微妙な反応された。」

「「微妙な反応?」」

「…『性犯罪者予備軍ですか?』って。」


そう俯きがちに言う西園寺に、千秋はぶはっと吹き出した。

「ひーっ、花奏ちゃんサイコー!性犯罪者予備軍ですか?はまじでウケる!」


ゲラゲラと笑う千秋とは裏腹に、樹は神妙な顔をして、「千秋以外に、けーちゃんの告白を断る女なんていたんだな…。」と呟いた。


「もう、俺の話はいいだろ。それよりオマエたち、明日起きれるの?」


そう言って話題を変えようとする西園寺に、2人して「よくないよくない。」と否定した。


「じゃあ明日は気合い入れていかねえとな!よし、けーちゃん、俺の一張羅でも着てけ!」


そう言って徐に立ち上がるとクローゼットを漁り出した樹に、「オマエのじゃ丈が短くて着れないだろ。」と西園寺は突っ込んだ。


「ハア〜無駄にデカいんだもんね。このでくのぼう!」

「千秋も割とでかい方だろ。」

「女子にでかいって言うな〜!スタイル良いって言えよ、まじでコイツムカつく〜!」

そう言って殴りかかる素振りをする千秋に、「じゃあ俺にでくのぼうって言うな〜。」とヒラリとかわした。


「…はー、もう俺帰るからな。明日ちゃんと起きろよ?じゃなきゃ紡木さんと2人でデートに行くから。」


立ち上がりながらそう言う西園寺の表情はふざけてるわけでもなく至って本気で、千秋は無言でアラームをセットした。


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