西園寺先生は紡木さんに触れたい
「高一の時だっけ?圭ちゃんがここの海の家で学校に隠れてバイトしててさー、俺たちがからかいに行ったんだけどさー。」
「そうそう、でもコイツがあまりにも女に囲まれててムカついたから、2人で担いで海に投げたの。」
「な、投げっ!?」
驚いて声を上げる紡木に、西園寺は「紡木さん、聞かなくていいよ。」とピシャリと言った。
「いやー、でもびしょびしょになった圭ちゃんが、濡れた髪をかきあげながら浜辺に上がってくる姿を見た女子が、『水に滴る良い男…!』って更に騒ぎ出してムカついたな〜。」
「コイツ本当、気持ちが悪いくらいモテんのよね〜。
それで更にムカついたから学校にチクってやったの。てか、あんなに目立ってたらアタシたちが言わなくてもバレてただろうけどね。」
そう言ってケタケタ笑う千秋に、西園寺はため息をついた。
「なんか…本当にすごいんですね、先生って。」
そう呟く紡木に、「でしょ!」と樹は笑った。
「花奏、圭ちゃんって学校ではどうなの??やっぱモテる??それとも若いJKはおじさんなんて興味ない??」
そう聞く樹に、「紡木さん、答えなくて良いから。」と西園寺は制止した。
そんな西園寺の様子に紡木はにやりと笑うと口を開いた。
「先生はいっつも女子に囲まれてますよ。ファンクラブもあるし。」
紡木の言葉に樹たちは「フーフー!!」と囃し立て、西園寺は「ちょっと、紡木さんってば!」と慌てふためいた。