西園寺先生は紡木さんに触れたい
「オイ、ツムツム。」
次の日の朝。またもや蓮に話しかけられた紡木は一瞬で顔を強張らせて、後ろに振り向いた。
「えっと、なんでしょう…。」
「ツムツムが昨日気持ちを伝えろって言ったから伝えてきたのに、葵にブチギレられたんだけど。」
そう言う蓮の鋭い眼光に、紡木は「ひい!」と小さく声を上げた。
「え、ま、まって、なんて言ったの?」
「はあ?そりゃあオマエ…『葵は俺にしか幸せにできねえ、俺の所へ戻って来い』って言ったら、『うるせえバカ』って言われた。」
あっけらかんと話す蓮の言葉に、紡木は盛大にため息をついた。
それを見た蓮は「え?なんかいけなかったのか??」と咄嗟にあわあわしだした。
「あのね、霧島くんが伝えたことって、典型的なオラオラ系なの。女の子が求めてるのはもっと…!」
「もっと??」
「もっと…こう…」
紡木が大事なことを言おうとしたところで、廊下に大きな黄色い声が響いた。
驚いて2人してそちらの方を向くと、そこにはサイコ…女子に取り囲まれてる西園寺先生がいた。