西園寺先生は紡木さんに触れたい
「ケイトせんせー、クマすごーい!」
「え〜?疲れてるの??アタシが癒してあげようか??」
「はあ?私の方が先に来てたんですけど!癒すのは私!」
「順番とか関係ないし、ケイト先生はアタシたちの方が好きだよね?」
「え、ちょっと抜け駆けずるくない??」
「はーい、皆さん教室に戻ってくださいね。もうすぐ朝礼が始まりますよ。席についてないと遅刻扱いにしますよー。」
きゃあきゃあと言い合ってる女子たちを、飄々とした態度で追い払う西園寺先生に、紡木はいつものことと思いながらも感心した。
本当の恋愛経験豊富な人って、こう、サラッと?飄々と?してるんだよね…。
そう思いながら見てると、不意に西園寺先生がこちらを向いた。
2人の視線がばちりと重なる。
と、同時に先生は紡木に向かってヒラヒラと手を振った。
え??なんで??
驚いて自身の後ろの人に手を振っているのではないか、と思って後ろを向くも、紡木の後ろには窓があるだけで、再び視線を戻しても、西園寺はバッチリ紡木の方に手を振っていた。
え???どういうこと???なに??
頭の上に?を浮かべながら、やっとの事で西園寺先生に苦笑を返した紡木であった。