西園寺先生は紡木さんに触れたい

「やっほー、花奏ちゃん!お久しぶり!」

放課後、駅前で千秋に声を掛けられると紡木も手を上げてそれに応えた。


「いやー、ごめんね、急に誘っちゃって。どうしても会いたくってさ。さ、いこいこ!」


千秋は紡木の腕に自分の腕を絡めると、ズンズンと歩き始めた。






「…千秋さんから誘ってくれるなんて、嬉しかったです。」


目的地のファミレスに着いて一息ついた頃、ストローでジュースをかき混ぜながら紡木はそう呟くように言った。


昨日の夜、千秋の方から紡木に一緒に夕飯を食べないかと誘われたのだ。


そのメッセージには西園寺から無理矢理紡木の男性恐怖症について聞き出したこと、私も力になりたいということが綴られており、ひとつ返事でOKした。

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