西園寺先生は紡木さんに触れたい
「やっぱ、先生って昔からモテるんですねえ。」
そう感心するように言う紡木に千秋はケタケタと笑い声を上げた。
「そうよー!あの顔にあの性格でしょ?モテない方がおかしいわよ、ムカつくけど!」
そう豪快に笑ったかと思えば思うほどふと真剣な眼差しで紡木を見た。
「でもね、相当一途よ、アイツ。
学生時代もバカほど告白されて付き合ってたけど、浮気したことはほとんどなかったし、彼女いる時に告白されても断ってたし。」
「ほお…。」
「今も花奏ちゃんにゾッコンみたいだしね。」
そう言ってにやりと笑う千秋に、紡木は苦笑いを浮かべてオムライスを一口食べた。
「それより、学校にいるときのアイツはどうなの??ちゃんと先生やってる?」
「んー…まあ、すごく生徒のことを考えてるなって思います。」
少し考え込みながらそう言う紡木に、千秋はうんうんと頷いた。
「そうだよね…アイツの家、あれだからね…。」
「先生の、家?」
紡木が頭上に?を浮かべながらそう聞き返すと、千秋の表情が一瞬固まったかと思えば、「あれ、聞いてない…?」と苦笑いを浮かべて言った。
紡木は無言で首を振ると、「ああ、そうなんだ…ハハ。」と乾いた笑いで誤魔化された。