西園寺先生は紡木さんに触れたい
僕は何をやってるんだろう…。
1人になりたくないって紡木さんが言うから連れてきちゃったけど、学校にこんなこと知られたら…。
いやいや、これは不可抗力だ。
あの状況で放っておくわけにはいかないだろう。
これは教師としての…いや…
紡木がお風呂に入っている間、西園寺はだだっ広い部屋の中を右往左往しながら1人葛藤していた。
とはいえ紡木さんの制服が乾き切るまで帰せない…。
それまで僕の理性は保てるだろうか。
…あ、紡木さん、お母さんに連絡してあるのかな。
チラリと時計を見ると夜の7時を差していた。
最近は仕事も立て込んでおり、いつもだったらまだ学校にいる時間だけど…。
なんとなく今日は早く帰りたくて、いつもだったら通らない道を使ってまで近道して帰って。
本当に、よかった。
そう心の中で呟くと、ふうと息を吐き出した。
それと同時に浴室の方からドライヤーの音が聞こえてきた。
ああ、もうそろそろ出てくるかな。
西園寺はキッチンへ行くと、紡木に温かい飲み物でも出そうとポットに水を入れて沸かした。