西園寺先生は紡木さんに触れたい

僕は何をやってるんだろう…。


1人になりたくないって紡木さんが言うから連れてきちゃったけど、学校にこんなこと知られたら…。


いやいや、これは不可抗力だ。
あの状況で放っておくわけにはいかないだろう。


これは教師としての…いや…


紡木がお風呂に入っている間、西園寺はだだっ広い部屋の中を右往左往しながら1人葛藤していた。


とはいえ紡木さんの制服が乾き切るまで帰せない…。

それまで僕の理性は保てるだろうか。


…あ、紡木さん、お母さんに連絡してあるのかな。


チラリと時計を見ると夜の7時を差していた。


最近は仕事も立て込んでおり、いつもだったらまだ学校にいる時間だけど…。

なんとなく今日は早く帰りたくて、いつもだったら通らない道を使ってまで近道して帰って。


本当に、よかった。


そう心の中で呟くと、ふうと息を吐き出した。

それと同時に浴室の方からドライヤーの音が聞こえてきた。


ああ、もうそろそろ出てくるかな。


西園寺はキッチンへ行くと、紡木に温かい飲み物でも出そうとポットに水を入れて沸かした。

< 189 / 367 >

この作品をシェア

pagetop