西園寺先生は紡木さんに触れたい
もしかして…私…、
既に克服し始めてるのかな?
紡木はおそるおそる西園寺の掌を人差し指で撫でてみた。
そうしてもすべすべとした肌の感触が伝わってくるだけで、不快に感じることはなかった。
今度は西園寺の掌を、自身の掌で優しく包み込んだ。
それでも西園寺の体温が鮮明に伝わってきて、妙な安心感を得ただけで、気持ちが悪くなったりなどはなかった。
今日は色々あったけど、もしかして原因がわかったから、結果的にいい方向に向かってるのかな。
紡木は西園寺の手を優しく握ると、再び目を閉じた。