西園寺先生は紡木さんに触れたい


「…さん、紡木さん!」

紡木が再び目を開けると、ぼやけた視界に西園寺の青ざめた顔が入った。


「おはようございます…。」

紡木はゆっくりと身体を起こすと、呑気に西園寺に挨拶をした。


「お、おはよ、ごめん!僕、気づいたら、その、同じベッドで…。」


必死な顔をして謝る西園寺に、紡木は「寝ぼけて私に抱きついてきましたしね。」と少し意地悪な笑顔を向けて言った。


すると西園寺は更に真っ青になった顔を紡木に向けて、「ほ、ほんと??…本当に申し訳ない、紡木さん、大丈夫だった??」と慌てふためいた。


そんな様子をしばらく見て楽しんでから、「大丈夫でしたよ。私、ちょっとは克服したみたいです。」と、笑って返した。


西園寺はそんな紡木の様子にほっと胸を撫で下ろして、「よかった…。」と呟いた。


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