西園寺先生は紡木さんに触れたい
放課後。
教室を出るとあからさまに尾行をしてくる女子生徒たちに、紡木はこっそりとため息をついた。
そもそもどこで相談に乗るなんて聞いてもないし、行く義理もないよね。
別に西園寺先生に嫌われたってどうでもいいし。
それよりこの厄介な人たちに嫌われる方がめんどくさい…。
そう思って紡木は後ろを振り返った。
彼女たちは容赦なく睨みを効かせていて、紡木はため息をついた。
めんどくさいから帰ろ。
そう思って堂々と昇降口を出ると、尾行してきた彼女たちは困惑したらしく、それ以上紡木を追ってくることはなかった。
まあ、わかりやすく避ければ西園寺先生も諦めてくれるだろう。
なんて呑気に考えながら丁度学校の前に停まったバスに乗り込んだ。