西園寺先生は紡木さんに触れたい
「そういえば、面接練習はどう?」
「えっと…う〜ん。」
西園寺の質問に、紡木はまたしても考え込んだ。
『本当にこの会社に入りたいの?』
不意に浮かんだ教師の言葉に、胸が締め付けられた。
「何か、悩んでる?」
苦しそうな表情を浮かべる紡木をミラー越しに確認すると、西園寺は落ち着いた声色でそう聞いた。
「えっと…まあ…、そういえば先生は、なんで先生になったんですか?」
「僕?僕ねえ、占いで決めた。」
「ええ!?」
突拍子もない西園寺の答えに、紡木は思わず大きな声を上げた。
「ネットでさ、名前で職業診断みたいなのがあってさ〜、それで決めたの。」
懐かしいな。
もう、10年程前のこと。
西園寺は記憶の海を辿りながら、ゆっくり語り出した。