西園寺先生は紡木さんに触れたい
確か、高校2年の夏前。
西園寺はまっさらな進路希望調査票と睨めっこをしていた。
「けーちゃん、まだ書けてねえの?」
「はあ?アンタ、提出期限明日でしょ?」
放課後、ぼーっとプリントを見つめる西園寺を不思議に思った樹が、西園寺の席に近づきながらそう言うと、近くにいた千秋もそう反応した。
「…だって、やりたいことなんて…。」
西園寺が呆然と呟くと同時に、千秋と樹は近くの椅子に腰をかけた。
「てか、別にいいでしょ。やりたいことなくたって実家帰れば─。」
千秋がそう言うや否や、西園寺は珍しく鋭い視線を千秋に投げた。その視線に千秋は直ぐに口をつぐんだ。
「俺たちで考えてやろうか?」
「いいって、どうせくだらないことしか言わないだろ。」
「私たちを舐めんなよ?真剣に考えるし。なあ、樹。」
「よし、ジャニーズはどう?」
そんな2人の掛け合いに西園寺は深いため息をついて肩を落とした。
樹はおふざけが過ぎたかと、「ごめんごめん。」と西園寺の肩を叩いた。