西園寺先生は紡木さんに触れたい
「…え?で、本当に先生になっちゃったんですか?」
「う〜ん、まあ、その後も色々あったんだけどね。教師になっちゃった。」
そうあっけらかんとして言う西園寺に、紡木は「へえ〜…」と感嘆の声を上げた。
「…私も未だに本当にやりたいことがなくて…。」
高校卒業したら就職するってもう決めてたから、学校に来た求人の中でも自分にできそうなことを選んで…
でも本当にできるのか、このままヌルッとした感じで就職してしまっていいのか、色々考えている時に『本当にこの会社に入りたいの?』なんて痛いところを突かれたから…。
「じゃあ、僕の所に永久就職にすればいいじゃん?大丈夫、紡木さん1人養うくらいの経済力はあるから!」
そう冗談っぽく言う西園寺に、紡木は「そうですね…。」と返事をした。
もうこんなことで悩むくらいならいっそのこと誰かに養ってもらうのが一番良いような気がしてきた…。
そう思ってポツリと出た返事に、西園寺は大きな瞳を更に大きく開いた。
「そ、それってもしかして僕とけっこ「いえ、違います!」
驚きを隠せない声でそう言う西園寺の言葉を遮るように紡木がキッパリと訂正すると、「…ひどい。」と嘆いた。