西園寺先生は紡木さんに触れたい

「ケイト先生〜!」

「おはよ、ケイト先生!」

「今日もカッコいい!」

「電話番号交換して!!」

ギャーギャー騒がれるのも3年目になればもう慣れっこで、西園寺は適当にやり過ごしながら自分が副担任を受け持つ3年4組の教室へと急いだ。


「ケイトせんせー、クマすごーい!」


「え〜?疲れてるの??アタシが癒してあげようか??」


「はあ?私の方が先に来てたんですけど!癒すのは私!」


「順番とか関係ないし、ケイト先生はアタシたちの方が好きだよね?」


「え、ちょっと抜け駆けずるくない??」


確かに女子生徒の言う通り西園寺は寝不足だった。


白い肌から目元だけ青黒い血管が透けている。

昨日はよく眠れなかった。

何故か、紡木さんの顔がチラついて、

寝ようと思っても逆に覚醒していくばかりで…。


寝不足によりいつもより気が立っている西園寺は、イライラを抑えながらも周りで騒いでいる女子生徒をさらっとかわした。

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