西園寺先生は紡木さんに触れたい
「…先生って、人生楽しそうですね。」
「ぶはっ、なにそれ。」
珍しく紡木から話しかけてきたと思えば、想像もしていなかった言葉に、西園寺は思いっきり吹き出した。
「だって、いつもにこにこしてるし、今だって、文化祭とテストの準備で大変だって言ってたのに、嫌そうな顔一つしてないし。」
「う〜ん、まあ実際楽しいしね、紡木さんと一緒にいられるし。」
そうあっけらかんとして言う西園寺に、紡木は「ふざけないでください!」と顔を仄かに赤に染めて訴えた。
「はは、でも楽しいのは本当だからさ。
ずっとやりたいことだったし。
テストは、まあ皆の苦手を理解して、どうやったら克服できるかとか考えたり、文化祭は…皆が楽しみにしてることでしょ?だから教師はできる範囲で精一杯サポートしたいじゃん。」
「へえ…。」
「何その反応。」
西園寺は紡木の反応にそう言ってくく、と笑った。
先生って意外と色々考えてるんだなあ。
なんかちょっと頭空っぽそうな感じがしてたけど。
紡木は少しだけ西園寺を見直した。