西園寺先生は紡木さんに触れたい
「ヤッホー、ケイトせんせー!…と、ツムちゃん!」
「あ、遠藤さん。一緒にこっちに座ってくれるかな。」
タイミングよく現れた葵に、蓮は一度腰を下ろした。
「あ、葵!?お前も…。」
「は?誰オマエ。」
「え?は…?」
「ウチの親友と浮気する奴の事なんて知らねーし。…それよりケイト先生、お話ってなあに?」
葵は蓮をぎろりと睨んだかと思えば、すぐに満面の笑みを浮かべて西園寺を見つめた。
西園寺は苦笑いを浮かべながら、先程紡木たちに言ったことと同じことを葵にも伝えた。
「遠藤さんは推薦で大学に行く予定って聞いたから、
なるべく赤点は無い方がいいと思うけど…。」
「え、ケイト先生と夏休みも会えるってこと?やるやる!」
葵は嬉しそうにそう返すと、蓮は「クソッ」と小さく呟いた。
「えっと〜…霧島くんは…「やるに決まってんだろ!」
そう勢いよく言う蓮に、葵は舌打ちをした。
ああ…
私が赤点を取らなければこんなことにならなかったのに…
また面倒なことに巻き込まれてる気がする。
紡木はそう心の中で呟いて項垂れた。