西園寺先生は紡木さんに触れたい
その日も補講を終えて、葵と蓮が西園寺に絡んでいるうちに紡木はささっと化学室を後にした。
面倒ごとに巻き込まれるのは苦手だ。
ただでさえ貴重な夏休みの午前中を補講で費やしてるのに。
先生には悪いけど…。
少しの罪悪感に苛まれながら、紡木は下駄箱へと向かった。
補講の3日目。
西園寺は紡木たちが来る1時間前から準備室でプリントの整理をしたりして準備をしていた。
今日も紡木さんに会える。
理由は何だっていい。
ただ顔を見れるだけで万々歳だ。
そう思うと西園寺は準備室内をスキップで移動した。
しかし…
遠藤さんと霧島くん。
西園寺は2人の顔を思い浮かべると、足を止めてずううんと項垂れた。
霧島くん、はまだいいとして…いや良くはないけど、
遠藤さん。彼女は間違いなく僕のことが好きだろう。
変な質問をされるのも面倒臭いし、もしも僕が紡木さんに好意を持ってるというのがバレて、紡木さんに被害が及んだら…
そう思うと西園寺は深いため息をついた。
♪〜♪〜♪
それと同時に、西園寺の白衣のポケットから着信音が鳴り響いた。
こんな時間に誰だろう、と不思議に思いながらスマホを取り出して画面を見ると、西園寺は一瞬目を丸く見開いてすぐに通話ボタンを押した。