幼なじみじゃ、いられない。

お気に入りのショートブーツをトントンと履いて、玄関のドアを開ける。

すると、あたしの目にすぐに飛び込んできたのは、りっくんの姿。


「おはよ、ひな」

「お、おはようっ……」


うちの玄関からほんの少し離れた場所に、りっくんは立っていて。

あたしが駆け寄っていくと、いつものように爽やかに微笑んで挨拶され、ドキッとする。


白のシャツに紺のニット、それからグレーのロングコート。

りっくんの私服姿を見たことは、今までに何度もあるけど……。


「何か今日、大人っぽくてカッコいいね……」


思ったことを素直にそのまま言葉にすると、


「彼女の誕生日デートだからね。ていうか、ひなこそすごい可愛い」


あたしの姿を見て言い返してくれた言葉に、思わず顔を赤くする。


お世辞かもしれないけれど、ついさっきまで悩んでいたから、すごく嬉しくて。


「誕生日、おめでとう」


優しく微笑んでくれるりっくんに「ありがとう」と、照れながら返す。
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