幼なじみじゃ、いられない。

「っ……!」


あたしは咄嗟に、二人の姿に背を向ける。

ドクドクとうるさい鼓動。


手が震えるほど動揺しているのは、椎名さんのせいじゃない。


少し時間が経ってから、そっと振り向いてみると、二人の姿はもうなくてホッとした。 



なんで……なんであたし、『まだ続いてるんじゃん』なんて思ってしまったんだろう。


大地くんが誰とどれだけ付き合おうが、もうあたしには関係ないはずなのに。

これじゃまるで、自分がまだ大地くんのことを意識しているみたい。

いや、全く意識していないと言えば嘘になる。

でも……。



「次の化学、移動じゃなかった?」

「えっ、ガチ!?」


バタバタと走りながら通り過ぎていく人たち。

そろそろ急がなきゃ昼休みが終わる。

分かっているのに足取りが重くて、トボトボと歩いてしまっていると──。


「おい」


急に腕を掴まれ、引き止められた。

あたしの目の前に立っていたのは──大地くん。
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