幼なじみじゃ、いられない。

「な、なに言ってるの?」


ドクドクと鼓動がさっきよりも早くなる。


……ダメ。

このままじゃ、あたしを見つめる大地くんの大きな瞳に吸い込まれてしまいそうで──。


「かっ、からかうのやめてよ。そうやって何人も女の子騙してきたのかもしれないけど、あたしは──」


『あたしは違う』って、『大地くんのことなんか好きじゃない』って、はっきり言葉に、態度に出さなきゃと思った。

だけど、


「ひなだけだし。こんなこと言うの、ひなが初めてなんだけど」

「え……?」


ぎゅっと掴まれた腕。

まるで本当に本気のような、真剣な目をして告げられた言葉に、頭の中が真っ白になる。


「まって、ほんと……意味わかんない」

「なんで? 他の女、ひなのために全部切ればいい?」

「っ、離して!」


あたしは今度こそ勢いよく大地くんの手を振り解いて、大地くんから逃げるように走り出した。
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