あ
「たまたまだよ。そっちはなんでいるの。」
さりげなく距離をとりながら、四宮君にはなしかける。
「ここ、小さいときに来たことあって。今日久しぶりに来たんだ。」
「ふーん。そうなんだ。」
忘れていた。私は、お金の封筒を盗んだことになっているんだった。
きっと四宮君も知っているだろう。
「それにしてもびっくりした。まさか優希さんが虫嫌いだったなんてさ。」
「だからもう言わないでって。私帰るね。」
落ちているリュックを拾い、逃げ足で来た道をもどろうとする。
「え、もう?なんで?」
「いにくいから。それに……いやでしょ。泥棒と一緒にいるの。」
「え……」
四宮君の動きが止まった。
ほら、知ってた。
今更違うとかは別に言う気ないし。このまま上手く気をそらして帰ろう。
「え、何言ってるの?あんなのデマでしょ。」
「………は?」
今なんて言った?私の噂を、否定した?
あ、そうか。四宮君は私のいろんなでたらめを知らないから。だから噓だと思うんだ。
きっとほかの誰も私のうわさが全部噓だとは思っていないだろう。
だからか。そうか、だから…か。
「………ほんとだよ。今までにもこういうことたくさんあったけど、四宮君は知らないんだよね。封筒を盗んだのは私。遊ぶお金が欲しかったからさ。だから、もう私には近づかないでね。」
これは本音。正直これ以上この人とつるみたくない。さっき虫嫌いがばれてしまったのはほんとに不覚だった。
さりげなく距離をとりながら、四宮君にはなしかける。
「ここ、小さいときに来たことあって。今日久しぶりに来たんだ。」
「ふーん。そうなんだ。」
忘れていた。私は、お金の封筒を盗んだことになっているんだった。
きっと四宮君も知っているだろう。
「それにしてもびっくりした。まさか優希さんが虫嫌いだったなんてさ。」
「だからもう言わないでって。私帰るね。」
落ちているリュックを拾い、逃げ足で来た道をもどろうとする。
「え、もう?なんで?」
「いにくいから。それに……いやでしょ。泥棒と一緒にいるの。」
「え……」
四宮君の動きが止まった。
ほら、知ってた。
今更違うとかは別に言う気ないし。このまま上手く気をそらして帰ろう。
「え、何言ってるの?あんなのデマでしょ。」
「………は?」
今なんて言った?私の噂を、否定した?
あ、そうか。四宮君は私のいろんなでたらめを知らないから。だから噓だと思うんだ。
きっとほかの誰も私のうわさが全部噓だとは思っていないだろう。
だからか。そうか、だから…か。
「………ほんとだよ。今までにもこういうことたくさんあったけど、四宮君は知らないんだよね。封筒を盗んだのは私。遊ぶお金が欲しかったからさ。だから、もう私には近づかないでね。」
これは本音。正直これ以上この人とつるみたくない。さっき虫嫌いがばれてしまったのはほんとに不覚だった。