「優希麗愛さん。あなたは、瀬戸加奈子さんを屋上から突き落としましたか?」
「落としてません。」
「ですが、あなたが突き落としたところを見たといっている目撃者がいます。もう一度聞きます。あなたは、瀬戸加奈子さんを突き落としましたか?」
「落としてません。」
何度聞かれようと同じだ。私ではないのだから。
「では、今日の朝は何時から学校にいましたか?」
「今日は八時十五分くらいに教室に入りました。私が学校に来てすぐに先生が教室に入って来て、そこで事件を知りました。」
「なるほど。では次に……」
「あの…」
葉山さんの言葉をさえぎって、私は口を開いた。
「どうしたんですか?」
「証拠ってあるんですか?私が犯人だって証拠。」
「それは、まだ調査中です。証拠がないと言い切れるんですか?」
葉山さんは疑わしそうに私に尋ねてきた。
「言い切れます。私じゃありませんから。」
一切の迷いも見せず、力強く言い切った。
ここで弱気になったら、負けだと思ったから。
「では次に、あなたの家族構成や、あなたが思うあなたの人柄や、最近あった出来事など、少しお話を伺ってもよろしいですか?」
「え……」
取り調べって初めて受けたけど、こんな事聞かれるの?
「………言いたくない場合はどうすればいいでしょうか。」
「別に無理にとは言いませんが、言えないことが多いと、後で不利になります。口外したりなどはしませんので、気楽に話してもらって大丈夫ですよ。」
葉山さんは柔らかい笑みを浮かべた。
いくら犯人だと思われてても、所詮は私はまだ中学二年生の子供。
さらにまだ証拠も何も出ていない状況なので、あまり警戒はされていないようだ。
「………私のお母さんは、刑事でした。」
「へえ、そうなんだ。どこの署だったの?ここら辺?」
< 35 / 38 >

この作品をシェア

pagetop