そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
脂の乗った柔らかそうなお肉から立ち上る香ばしい香りを胸いっぱいに吸い込んで、早速ナイフとフォークを手に取ろうとしたが、すかさずハンナから「姫様」と注意され、あぁそうだったと動きを止める。
ソフィアが掴もうとしていたナイフとフォークをハンナが取った。
一切れ切り分けた肉を隣に置いてある小皿に置くと、ケットジア側の侍女が進み出てきてそれを食し、「問題ございません」と深々とソフィアにお辞儀をし、下がっていく。
自分と、そしてクラウドの毒見も済んだところで、ソフィアは「いただきます」と心を込めて呟き、待ってましたとばかりにナイフとフォークを掴み取る。
一口ぶんに切り分けたお肉を口に運ぼうとした瞬間、クラウドから唖然とした声がかけられる。
「食べるのか?」
「……えぇ。もちろん食べたいわ」
どうしてそんなことを聞くのか。
食べて良いから出してくれたんじゃないのかしらと動揺し、ソフィアは思わず執事に目を向ける。
すると、執事は「どうぞお召し上がりください」と微笑んだ。
ソフィアはお肉をパクリと頬張って、「はぁぁ。美味しいぃぃ」と幸せいっぱいの顔をする。