そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

「そうだったの? 勿体無いわね」


ソフィアの言葉にクラウドはまた小さく笑って、のんびりした足取りで小さな白い橋まで進んで行く。

欄干に手を乗せた状態でクラウドは立ち止まり、ソフィアも隣で歩みを止めて橋の下の澄み切った池の水へと視線を落とした。


「どう頑張っても武族と魔族のいがみ合いは解消されない。この婚姻だって結局上手くいくはずがないとみんなわかっている癖に、友好の証だからと俺に婚姻を押し付けてくる」


苛立ちを隠さずに、クラウドは水面に広がる波紋を睨み付けている。


「何か問題が起こったら、俺に全ての責任を押し付けて、切るつもりでいるんだろう」


苦しそうに顔を歪めて、素直な気持ちを吐露したクラウドだったが、ソフィアと目があうと気まずそうに右手で頭をかかえた。


「すまない。あなたに言うことではなかった」


ソフィアは欄干にそっと背中をもたれかけて、腕組みをし、他の人に聞こえないよう小声で話しかける。


「この婚姻は、魔族と武族の友好の証だったわよね」


突然なんだとクラウドはソフィアへ視線を移動させる。同じくソフィアも、クラウドに顔を向けて、にやりと笑いかけた。

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