そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「クラウド様は私たち三人の中から、嫌でも選ばなくちゃいけないのでしょう? 避けられないなら、ひとまず私で手を打って、婚約破棄を前提にお友達から始めるっていうのはどうかしら」


クラウドは瞬きを繰り返したのち、姿勢を正すようにソフィアへ体を向ける。


「……こ、婚約破棄を前提にって、本気か?」

「いずれクラウド様の前に、運命の女性が現れるわ。その時、婚約破棄をしても、私たちの間に固い友情が結ばれていて、何か協力しあえる関係が築けていたならば、友好の証としての役目は、十分果たせていると思うのよ」


顔を強張らせたまま固まっているクラウドにソフィアは「半魔族と友達なんて嫌?」と苦笑いで問いかける。

「嫌と言うか、なんというか」と歯切れ悪く答えるクラウドに、ソフィアは「図星なのね」と意地悪く微笑む。

そして、寄りかかっていた欄干から離れて、ソフィアもしっかりと胸を張ってクラウドと向き合った。


「互いに誠実でありさえすれば、こんな私でもクラウド様と友情を築けるはずだって信じているわ」


自信たっぷりにソフィアがクラウドへ微笑みかけた時、少し距離を置いて立っていたマシューが、「姫様、そろそろお時間です」と厳かに告げる。

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