そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
ソフィアは「わかったわ」と返事をしてから「戻りましょう」とクラウドに声をかけ、先に橋を降りてマシューたちの元へと戻っていった。
そのまま馬車へ向かうと、どこかで待機していたらしいクラウド側の侍女ふたりが「ソフィア様」と歩み寄ってくる。
ひとりは抱えていたマリアネラの花束を、そしてもうひとりは可愛らしい紙袋を差し出してくる。
「廊下に飾ってあったもので申し訳ございませんが、ぜひ姫君に受け取っていただきたく。紙袋の中身は、お約束していたルリージェでございます。お召し上がりください」
執事から説明を受け、ソフィアは「まぁ!」と目を輝かせる。
「ふたつとも、本当にいただいてよろしいの?」
「もちろんでございます」
「ありがとう。とっても嬉しい!」
花束とケーキの入った紙袋を両手で抱えて、幸せそうに笑うソフィアを見ていたクラウドは「少しだけ待っていてくれ。すぐ戻る」と告げて、洋館に向かって駆け出した。
「どうしたのかしら」と不思議がるソフィアに、執事は「王子のために、どうかあと少しだけお時間を」と恭しく頭を下げた。